診療科目・センター・部門
Departments & Centers
糖尿病には医師・看護師はじめ多職種のチームで対応。内分泌疾患には全領域で専門医療を提供しています。
糖尿病・内分泌内科

学会認定教育施設

  • 日本内科学会認定制度教育病院
  • 日本糖尿病学会認定教育施設
  • 日本内分泌学会認定教育施設
  • 日本甲状腺学会認定専門医施設

診療内容

糖尿病の診療

糖尿病の診療に関しては、栄養相談や合併症を含めた精密検査はもとより、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)と呼ばれる、かざすだけで血糖値が分かる新しい血糖モニタリングシステムを用いた詳細な血糖日内変動の解析、CTスキャン画像を用いた内臓脂肪面積の測定など、それぞれの患者さんの糖尿病の病態を客観的に評価し、最適な治療法のアドバイスをしています。当科を受診される場合は、かかりつけ医から、予約を取ってもらって受診してください。
状態の安定した患者さんは、原則としてかかりつけ医での治療継続をお願いしています。

「糖尿病が気になる人のための食事相談室」はこちら

FGMの様子
FGM解析
内臓脂肪

糖尿病教育入院

多職種でサポートする糖尿病教育入院

入院では、8日間の糖尿病教育入院を設定しており、医師・看護師・栄養士・理学療法士・検査技師が協力して糖尿病教育、栄養指導、運動療法の指導を行っています。本院の糖尿病教育入院は、講義形式の受身型の学習だけではなく、カンバセーションマップを用いた参加型の学習を取り入れていること、バイキング形式(食べ放題ではありません!)の夕食日を一日設けて、必要な量やバランスを自分で選んで体験してもらう企画のほか、フットケアの実践、専門医による本格的な運動指導など、独自のカリキュラムを組んでいます。患者さん自身が自ら運動を実践できるよう病棟にエアロバイクを設置し、治療効果を実感できる当院独自の記入シートを配布して患者さんの意識改革を促しています。コロナ禍以前は例年110名前後の患者さんに参加していただいていましたが、2023年度は31名の方に参加していただきました。

カンバセーション マップ
夕食バイキング
運動指導
病棟 エアロバイク

外来糖尿病教室

外来糖尿病教室のお知らせ

糖尿病についての知識をつけたいけど入院はできないという方のために、生活習慣病センターと連携して外来糖尿病教室を月1回定期開催しています。本院通院中の患者さんだけではなく、どなたでも参加していただくことが可能です。

「外来糖尿病教室」について詳しくはこちら

内分泌疾患の診療

日本内分泌学会認定教育施設認定証写真

内分泌疾患の診療に関しては、日本内分泌学会認定教育施設、日本甲状腺学会専門医施設として下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵内分泌、副腎、性腺疾患全領域にわたり専門医療を提供しています。各種検査や簡単な負荷試験については外来で実施可能です。検査によっては短期間入院が必要な場合もあります。専門的な緊急治療を要する入院にも対応しています。

生活習慣病センター 糖尿病・肥満チーム

運動量と消費カロリー相関グラフ

生活習慣病センターの糖尿病・肥満チームでは、普段の食事内容をデジカメで撮影していただく方法での栄養士による摂取カロリーの評価や、ライフコーダと呼ばれる携帯型機器を用いた消費カロリーの評価、専門医による本格的な運動指導など、「生活習慣改善プログラム」という独自のプログラムを組み、糖尿病だけではなく肥満症改善にも適用しています。生活習慣を改善する意欲はあるがなかなか一人では開始し、継続することが困難な患者さんのお手伝いをしています。院内からのみの予約になりますので、受診希望の方は、まずはかかりつけの先生に通常の糖尿病・内分泌内科外来の予約をとってもらって受診してください。

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主な対象疾患

糖尿病とは

平成28年に実施された調査では糖尿病の人は約1,000万人、糖尿病予備軍と考えられる人(1,000万人)を合わせると2,000万人にものぼると言われています。しかしながら、糖尿病の人のうち実際に治療されている人は約半分程度の人にすぎません。もう半分の人は自分が糖尿病であることを知らない、あるいは知っているけれども治療を受けていないということになります。

このように未治療の人が多い理由の一つは、糖尿病が自覚症状の乏しい病気だからではないかと思われます。糖尿病の症状は「のどが渇く」「よく水やお茶を飲む」「尿が多い」「体重が減る」などと一般的には言われていますが、このような症状は相当に血糖値が高くならないと現れてきません。したがって、少しくらい血糖値が高くても症状はほとんどないため血液検査をしないと糖尿病であるとわかりませんし、検査をして「血糖値が高い」といわれても「何の症状もないのでたいしたことはない」と思ってしまう人が多いのではないかと考えられています。

しかしながら、症状が出現しない程度の高血糖であっても長期間持続すると眼や腎臓、神経に障害が生じてきますし、動脈硬化症が生じて血管が詰まりやすくなってきます。眼に生じる合併症に「糖尿病網膜症」があり、これにより失明してしまう人が年間3,500人以上あり、成人の失明の原因の多くは糖尿病によるものと考えられています。また、腎臓に生じる合併症を「糖尿病腎症」といいますが、腎臓の働きが悪くなって人工透析をしなければならなくなる人のうち、一番多いのが糖尿病によるものと言われています。脳や心臓の血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞が生じますが、糖尿病の人では糖尿病でない人の数倍多く発症すると言われています。このように「ほとんど症状がない」にもかかわらず、後に重大な結果を引き起こしてしまうところに糖尿病治療のむずかしさがあると思われます。

イメージイラスト

糖尿病の治療の基本は「食事療法」や「運動療法」であり、これらを行ってもまだ良好な血糖コントロールが得られない場合に「薬物療法」を行いますが、これらは患者さん自らが実践しなくてはなりません。糖尿病は他の病気のように、「医者に言われたとおりに薬を飲んでおけばよくなる」という病気ではありません。患者さん自身が「主治医」となって自分の糖尿病をコントロールしていく必要があります。そのためには「糖尿病」について良く知っておかなければ糖尿病と上手に付き合うことが出来ません。(兵庫県立加古川医療センター糖尿病教室テキストより一部抜粋)

内分泌疾患とは

正しい診断、治療により劇的に症状が改善するのが内分泌疾患です。

文責:主任科長 田守 義和

下垂体腫瘍

昔から言われている内分泌臓器とは視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、精巣、卵巣で、いわゆる「ホルモン」を分泌する臓器です。当科の対象とする疾患もこれら臓器に生じる、ホルモン分泌が異常になる疾患です。すなわちカバーする領域は全身にわたります。炎症や腫瘍などによりホルモン分泌調節が崩れれば疾患につながります。

具体的に当科で扱う疾患は多岐にわたります。視床下部、下垂体疾患では頭蓋咽頭腫や胚芽腫などが原因で生じる下垂体機能低下症(成人成長ホルモン分泌不全症含む)、中枢性尿崩症、また下垂体腫瘍が原因で生じる先端巨大症、プロラクチノーマ、クッシング病などが代表的な疾患であります。このうち大部分は脳神経外科の先生に手術治療をお願いすることになりますが、プロラクチノーマのように薬物がよく効く疾患もあります。当科では負荷試験などで診断をしてホルモン補充や内科的治療を実施いたします。

甲状腺疾患

バセドウ病

内分泌疾患のなかで頻度が多いのが甲状腺疾患です。当院は日本甲状腺学会専門医施設に認定されております。バセドウ病や橋本病、亜急性甲状腺炎などは当科で扱う代表的な疾患で、穿刺細胞診による甲状腺腫瘍の精査も行なっています(放射線ヨード内照射治療は行なっておりません)。甲状腺クリ―ゼのような内分泌緊急症の治療にも対応いたします。

副甲状腺疾患

原発性副甲状腺機能亢進症の画像
原発性副甲状腺機能亢進症

副甲状腺疾患としては、高カルシウム血症をきたす原発性副甲状腺機能亢進症が代表的な疾患です。健診でALP高値を指摘された症例、あるいは尿路結石を何度も繰り返す症例、骨折を繰り返す症例の中に、本疾患が隠れていることがあります。診断が確定すれば当院外科で手術治療していただき、術後のホルモン管理は当科で行います。

膵内分泌疾患

インスリノーマ

膵内分泌疾患の代表が、低血糖を繰り返すインスリノーマです。本院では絶食試験によるインスリノーマの存在診断、CTなどによる画像診断、放射線科と連携して行なう選択的カルシウム動注肝静脈サンプリングなどを駆使して正確な診断を行ない、外科的治療に結びつけています。

副腎疾患

褐色細胞腫の写真
褐色細胞腫

副腎疾患も、最近の画像検査の進歩によりよく見つかるようになりました。副腎腫瘍の中で悪性のものは比較的稀ですが、良性腫瘍であってもホルモン産生性の腫瘍は手術適応になることがあります。治療抵抗性の高血圧や糖尿病の症例のなかには、原発性アルドステロン症やクッシング症候群、褐色細胞腫などの副腎疾患が原因となっていることがあり、手術により完治してしまうこともあります。副腎腫瘍の精査、すなわち「治る」高血圧、糖尿病を見つけ出すのも当科の重要な役割です。本院では放射線科と連携して副腎静脈サンプリングを行なったり、泌尿器科と連携して副腎腫瘍の腹腔鏡下手術および術前後のホルモン調節を行なっており、診断から治療、術後の内分泌管理にいたるまで院内で完結できます。副腎クリ―ゼなどの内分泌緊急症の治療にも対応いたします。

性腺疾患

染色体検査

性腺疾患のなかにも内分泌疾患が隠れていることがあります。婦人科や泌尿器科を受診することが多いと思いますが、ターナー症候群やクラインフェルター症候群など染色体検査で診断がつく疾患のほか、プロラクチノーマやクッシング症候群、下垂体機能低下症が原因のこともあります。

診療実績

入院糖尿病教育プログラム参加者数

 

2021年度49
2022年度46
2023年度31

当科紹介初診患者数(初診予約のみ)

疾患2021年度2022年度2023年度 
糖尿病

89

92102
肥満・肥満症240
下垂体疾患251223
甲状腺疾患127146147
副甲状腺・Ca・骨111911
膵内分泌疾患000
副腎疾患252818
性腺疾患013
その他217
281303311

入院患者数

疾患 2021年度 2022年度 2023年度
糖尿病 94 106 101
下垂体疾患 12 15 21
甲状腺疾患 14 21 25
副甲状腺・Ca・骨 3 2 2
副腎疾患 14 12 8
その他 38 6 37
175 165 194

地域医療機関のみなさまへ

いつも患者さんをご紹介いただき、ありがとうございます。当科では地域の診療所の先生方のご協力のもと、糖尿病診療の発展向上、病診連携システムの充実などを目的として「加古川DMネットワーク」という勉強会を開催しておりますので、ご理解・ご参加いただければありがたく存じます。内分泌疾患に関しましてもおかげさまで症例数は年々増えてきております。糖尿病、内分泌疾患ともすべての曜日で診療可能ですし、緊急の場合は医療機関専用電話で連絡いただければ対応いたします。
若手医師も増えております。糖尿病・内分泌疾患のより良い診療をめざして努力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。