高齢者人口の増加と共に、と言われる骨粗鬆症を背景として軽微な転倒などでおこる脆弱性骨折も増加の一途をたどっています。特に脊椎や大腿骨近位部の骨折は機能障害が大きいために入院治療や手術治療を必要とする事が多くなります。さらに、このような骨折は骨折の治療後にも高率で再骨折を引き起こし、この骨折の連鎖によりさらに機能障害が増強、寝たきりや要介護となりやすく、日本の医療経済への悪影響も指摘されています。この脆弱性骨折における再骨折を予防するためには、骨折後の患者さんに対してまず骨粗鬆症治療を行なうこと、そしてその治療を継続することが非常に重要となります。
　当院では骨折リエゾンサービス（FLS）という取り組みを行なっています。これは医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養管理士ら多職種の連携により脆弱性骨折の際骨折を予防することを目的としており、骨折入院時に患者さんの検査、評価を行ない骨粗鬆症治療を開始すると共に、多職種連携により患者さん・ご家族の骨粗鬆症への理解を深め骨粗鬆症治療を継続して頂くこと、さらに検査結果や治療薬などを記録した「再骨折予防手帳」をお渡しすることで他施設との連携を強め、当院から転院・退院後も骨粗鬆症治療の途切れない継続を図るものです。
　当センターの活動は、かかりつけの病院、医院の先生方や訪問看護ステーション、介護施設など地域の医療機関との連携が肝になってまいります。骨粗鬆症の患者さんの治療が継続できますよう、科を問わず当センター（これまで通り整形外科　骨粗鬆症外来）をご利用いただければ幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。