診療科目・センター・部門
Departments & Centers
兵庫県全域から関節リウマチをはじめ多様なリウマチ性疾患の患者さんを受け入れ、県の中核施設として機能しています。
リウマチ科(リウマチ膠原病センター)
学会認定教育施設
  • 日本リウマチ学会教育施設

特色

リウマチ膠原病センターは、2016年4月1日に開設し、同年12月からは新しく竣工した「南棟」で、本格的に診療を開始しています。

当リウマチ膠原病センターは、国立加古川病院のリウマチ科の流れを汲むもので、2000年12月に国立加古川病院が(財)甲南病院へ移譲されたことに伴い、甲南加古川病院リウマチ膠原病センターとしてさらに発展してきました。同センターでは、内科的・整形外科的治療はいうに及ばず、血液浄化センターでの血漿交換療法や白血球除去療法などを含めて、加古川地区はもとより兵庫県下全域から数多くのリウマチ性疾患の通院・入院患者さんを受け入れ、リウマチ性疾患の中核施設としての役割を担ってきました。このリウマチ膠原病センターの診療機能が、2016年4月1日より兵庫県立加古川医療センターに機能移転され、内科医6名、整形外科医2名が毎日4診体制で外来診療を行っています。現在では、リウマチ膠原病センター(リウマチ科)として、概ね外来患者数74名/日、入院患者数10名/日を数えるに至っています。

リウマチ膠原病センター受付の写真

リウマチ膠原病センターの診療室

当リウマチ膠原病センターで診療している患者さんは、総勢約3400名で、その内訳は関節リウマチが約4分の3を占めますが、その他、シェーグレン症候群、強皮症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛症、混合性結合組織病、多発性筋炎/皮膚筋炎、RS3PE症候群、ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎;MPA,多発血管炎性肉芽腫症;GPA,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症;EGPA)、乾癬性関節炎、スチル病、ベーチェット病、サルコイドーシス、強直性脊椎炎、高安動脈炎、結節的多発動脈炎、特発性血小板減少性紫斑病、掌蹠膿疱症性関節炎、巨細胞性動脈炎など多岐にわたっています。当リウマチ膠原病センターでは、兵庫県下はもとより西日本のリウマチ膠原病診療の拠点となるべく診療を続けていく所存であり、従前と変わらず、兵庫県下全域、さらには近隣府県からの患者さんを広く受け入れますので、患者さんは勿論のこと、地域の先生方、また、兵庫県下の先生方、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、関節リウマチの治療はここ10数年でパラダイムシフトといわれるほどの変革を遂げました。バイオテクノロジーのめざましい進歩により、関節リウマチに非常に効果のある生物学的製剤(注射)やJAK阻害剤(経口薬)が処方可能となり、関節破壊が生じていない早期から系統だった治療を行なうことにより、関節変形を防止することも夢ではなくなっています。当センターでも生物学的製剤の中で、点滴静注製剤の投与を受けている患者さんが168名、皮下注製剤の投与を受けている患者さんが109名と多くの方がその恩恵に浴しています。さらにJAK阻害剤などのシグナル阻害剤(サイトカインネットワークを調整する)も次々に上市されており、関節リウマチのみならず、自己免疫疾患全般の治療も様変わりしていくものと思われます。

ただ、これらの画期的な治療をすべからく安全にかつ有効に遂行していくためには、医師のみならず多職種が連携したチームワーク医療が大切なことはいうまでもありません。この点がリウマチ膠原病センターが開設された所以であり、センターを運営していくうえに非常に重要な点です。このことを踏まえて今後もリウマチ膠原病センターの拡充を進めていきたいと考えています。

その手始めとして、定期的に、加古川医師会と共催して医療者向けの「加古川リウマチカンファレンス」、患者さん向けの「リウマチ教室」を開催していますので、多数の方のご参加をお待ちしております(現在はコロナ禍のなかでいずれも中止しています)。

診療実績(平成30年度実績​)

疾患別患者数
区分人数
関節リウマチ2,218
シェーグレン症候群204
全身性エリテマトーデス130
リウマチ性多発筋痛症124
強皮症127
混合性結合組織病62
多発性筋炎/皮膚筋炎56
原発性胆汁性肝硬変27
RS3PE16
ANCA関連血管炎17
乾癬性関節症20
スチル病14
ベーチェット病9
サルコイドーシス6
強直性脊椎炎9
高安動脈炎6
特発性血小板減少性紫斑病7
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症6
巨細胞性動脈炎5
掌蹠膿疱症性関節炎6
IgG4関連疾患4
生物学的製剤及びJAK阻害剤投与患者数(令和2年度)
点滴製剤
区分人数
アクテムラ(TCZ)83人
レミケード(IFX)49人
オレンシア(ABT)39人
皮下注製剤
区分人 数
エンブレル(ETN)73人
ヒュミラ(ADA)68人
アクテムラ(TCZ)127人
シンポニー(GLM)96人
オレンシア(ABT)59人
シムジア(CZP)25人
エタネルセプトBS23人
JAK阻害剤
区分人数
ゼルヤンツ22人
オルミエント35人
スマイラフ9人
リンヴォック0人
ジセレカ0人

リウマチ教室

当院のリウマチ教室は、リウマチに関する各専門職からの情報を提供しています。最新の治療や話題についてもふれますので、病気に対する理解を深めていただく機会として、皆さまのご参加をお待ちしています。教室の合間にリウマチ体操を実施しています。

時間 15:00〜16:00
場所 1階生活習慣病センター 学習ひろば(1階エレベーター前です)
参加費 無料(申込不要 当日直接会場にお越しください)
日程・内容を変更する場合があります
開催内容

地域医療機関のみなさまへ

当リウマチ膠原病センターでは、真に患者さんのためとなる医療を提供するために、常に最新の医学知識を取り入れ、最適な治療をめざします。現場の医療が最先端の医療を行なうためには、他科との連携のもと高度先進医療施設が必要であり、加古川医療センターにリウマチ膠原病センターが開設されたことで、より一層の発展をしたいと考えています。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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