病院について
About the Medical Center
院長挨拶

ご挨拶

兵庫県立加古川医療センター院長、原田俊彦の写真

おかげさまで兵庫県立加古川医療センターは開設10周年を迎えました。

令和2年度の最大のトピックは、当センターが兵庫県の「新型コロナウイルス感染症拠点病院」に指定されたことです。

当センターは開院時より、県の政策医療の一つとして感染症医療という使命が課せられており、東播磨圏域では唯一の感染症指定病院に指定されています。
そのため、当センターでは、兵庫県で新型コロナのクラスターが発生した3月初旬より、他の感染症指定病院で受けきれなくなった圏域外の新型コロナ陽性患者を受け入れてきました。
そして、感染が爆発的な拡大の危機に面していた4/7に国の緊急事態宣言が発令されましたが、その直後の県知事の記者会見で、当センターを県内全域の患者に対応する「新型コロナの拠点病院」に位置づけるという発表がありました。これは、当センターが兵庫県における「未知のウイルスとの戦争」の最前線に立つことを意味しています。
当センターには1種、2種の感染症を扱う感染症専用病棟がありますが、専用病床は8床しかなく、感染拡大後は一般病棟も新型コロナ患者専用として転用せざるを得ない状況となりました。
また、救命救急センターではICU/HCUが新型コロナの重症患者対応となったため、本来の業務である重症救急の患者を受け入れることができず、さらに内科だけでなく、外科系スタッフもチームを組んで新型コロナ対応に当たるようになったため、二次・三次救急を含めた救急対応も停止することになりました。
4/13からは通常診療においても、新型コロナ患者以外の新規入院、外来患者受入を大幅に制限し、ほぼ全面的に新型コロナ対応に特化することになったため、各診療科の専門医療にも支障を来すようになりました。地域の医療機関の皆様には多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
実際、4月半ばには疑似症含めて最大43名の新型コロナ関連患者が入院し、ICU/HCUには一時期8名の重症患者を受け入れることになりました。

拠点病院としての新型コロナ対応で最も腐心したのが院内感染対策です。
当院の感染対策委員会(ICT)が中心となり、院内の導線を分けることはもちろん、病棟では徹底したゾーニングを行い、スタッフの個人用防護服着脱手順の遵守など感染対策の標準予防策を徹底しました。
その結果、報道にもありましたが、5月始めに神戸大学が実施した当センター職員508名を対象とした抗体検査で、全員が抗体陰性という結果を得ました。
新型コロナのクラスターの多くが院内感染で発生している現状を見ても、今回の研究は最前線で新型コロナに立ち向かう私たちを非常に勇気づける素晴らしい結果でした。
さらに、5/7からはウイルスの院内持ち込みを防ぐため、外来患者、来院者の検温・問診によるトリアージコーナーを設置し、通常診察、発熱トリアージ外来、PCR外来への振り分けを開始しました。また、当初は帰国者・接触者外来として室内で行っていたPCR検体採取をドライブスルー化して検者の感染リスクの軽減を図るなど、あらゆる手段を駆使して院内感染対策を打ち立てました。現時点で、院内感染0というのは画期的な成果と自負しています。

兵庫県の新規感染者数が0となり、入院患者数も減少した5/18以降は、新規外来・入院患者の受入制限を一部解除し、延期していた手術も再開しています。このまま通常診療を全面的に再開したいところですが、地域によっては感染の第2波が襲来している所もあるようで、ウイルスが消滅したわけでも、当センターが新型コロナの拠点病院を解除されたわけでもありません。今後は感染の再拡大に備えると共に、ウイルスとの共存を前提に一般診療を再開する道を模索する必要があると考えています。

繰り返しになりますが、今年度の当センターの最大の使命は新型コロナ拠点病院としての役割を果たすことです。皆様のご理解と、ご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和2年6月
兵庫県立加古川医療センター 院長 原田 俊彦

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