全ての分野の皮膚疾患に対応するのみならず、全身疾患にも積極的に参画していくことをモットーにしています。とくに近年増加しているアレルギー疾患、自己免疫疾患、皮膚悪性腫瘍、重度熱傷、糖尿病性壊疽等の重症虚血肢の治療に重点をおいています。
2021年度に引き続き、2022年度もwithコロナ下での診療が続きますが、当科は感染対策に十分に注意しながら、従来同様の幅広い皮膚疾患の外来および入院加療を行ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
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重症感染症 | 48 | 40 | 33 | 45 | 58 |
アレルギー(ショック・薬疹・アトピー性皮膚炎) | 50 | 38 | 61 | 67 | 55 |
膠原病・血管炎 | 14 | 23 | 22 | 16 | 19 |
水疱症 | 14 | 16 | 32 | 17 | 9 |
ベーチェット病・スイート病・結節性紅斑 | 4 | 5 | 4 | 2 | 0 |
炎症性角化症(膿疱性乾癬など) | 5 | 5 | 3 | 3 | 1 |
悪性リンパ腫 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 |
皮膚潰瘍(血行障害含む) | 9 | 7 | 4 | 13 | 11 |
皮膚悪性腫瘍(悪性リンパ腫含まない) | 40 | 27 | 11 | 20 | 14 |
良性腫瘍 | 19 | 6 | 13 | 7 | 13 |
熱傷/外傷 | 10 | 7 | 6 | 0 | 2 |
慢性膿皮症 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 |
その他 | 7 | 2 | 0 | 2 | 0 |
多発性円形脱毛 | ND | ND | 16 | 12 | 16 |
特発性無汗症 | ND | ND | ND | ND | 11 |
2020年度手術・生検件数 | 2021年度手術・生検件数 | |||||
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項目 | 外来 | 入院 | 合計 | 外来 | 入院 | 合計 |
デブリードマン・断端形成術・四肢切断術(足・指) | 4 | 1 | 5 | 1 | 9 | 10 |
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) | 88 | 3 | 91 | 100 | 1 | 101 |
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) | 40 | 3 | 43 | 67 | 3 | 70 |
皮膚悪性腫瘍切除術 | 21 | 5 | 26 | 22 | 13 | 35 |
瘢痕拘縮形成術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
全層、分層植皮術 | 0 | 2 | 2 | 0 | 12 | 12 |
皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 |
爪甲除去術 | 3 | 0 | 3 | 3 | 0 | 3 |
陥入爪手術 | 28 | 0 | 28 | 39 | 0 | 39 |
組織試験採取、切採法(皮膚、筋肉) | 296 | 8 | 304 | 391 | 12 | 403 |
リンパ節生検(センチネルリンパ節生検含む) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
全合計 | 481 | 24 | 505 | 624 | 52 | 676 |
アトピー性皮膚炎、アナフィラキシー、蕁麻疹、食物アレルギー(口腔アレルギー症候群(OAS)、食事依存性運動誘発性アナフィラキシー(FDEIA)を含む)、薬疹、金属アレルギー、接触皮膚炎、蜂によるショックなどに対し、薬物治療のみならず、原因検索、減感作治療、食事や生活指導を行っています。薬疹や接触皮膚炎に対しては原因成分を決定し、代替品を紹介するようにしています。エピペンの自己注射処方も可能です。代替薬のない薬剤による薬疹では、他科や薬剤部と協力して、減感作療法にも取り組んでいます。アトピー性皮膚炎に対するデュプルマブ、じんましんに対するオマリツマブを導入し、良好な成績をおさめています。
広範囲な疾患を、皮膚臨床所見や病理所見より早期診断し、重症例では入院の上多角的な加療を行っています。ステロイド内服免疫抑制剤内服のほか、免疫グロブリン大量療法、血漿交換などを用いて、加療します。
皮膚外科手術を積極的に施行し、遊離植皮・有茎皮弁など患者様の状態・部位・病気に応じてより良い手術を心がけています。悪性腫瘍については、手術治療とともに放射線治療、化学療法により集学的治療を行います。悪性黒色種などでは、新規導入したガンマプローブを用いRI色素併用法によるセンチネルリンパ節生検やそれに基づいたリンパ節郭清などの先進医療も可能です。
全身型ナローバンドUVB治療、エキシマライトを含めた紫外線療法の他、呼吸器内科専門医と共に多種の生物学的製剤による加療など多角的治療を積極的に行っています。
顔面の色素病変やニキビ跡などに対し、ケミカルピーリングなどをしています。
陥入爪甲には人工爪、フェノール法、記憶合金によるワイヤー法などによる治療をしています。
脱毛症には紫外線治療、SADBE治療、ステロイドパルス治療などをしています。
無汗症には検査の上ステロイドパルス治療などをしています。原発性腋窩多汗症に新規治療薬のソフピロニウム臭化物の処方も可能です。
下肢静脈瘤にはエコーにて適応を見極めたうえで静脈瘤硬化療法をしています。
糖尿病などの患者様のフットケアは生活習慣病の一環として、静脈性、動脈性病変の有無などを確認し、放射線科、心臓血管外科、内科、形成外科、整形外科、リハビリテーション科などの医師や、専門看護師などと協議して最善の方法を探し、QOL確保・改善のための最善の治療を目指します。
当院救急科の全身管理のもとに、壊死性筋膜炎、広範囲熱傷などへの対応も可能です。
当科は50年以上前から東播磨のみならず播磨全域の皮膚科領域基幹病院として機能してきました。今後も月1回以上のWEBも活用したハイブリッド講演会、症例検討会などを開催して、情報を発信しながら、また皮膚科病床数14床を活用して、地域の皮膚科医療のさらなる発展に尽力していきたいと考えています。
皮膚科はもとより他科にてご開業の先生方、院内に皮膚科のない病院勤務の先生方には、日頃より患者さんをご紹介いただき、また当院からの紹介(逆紹介)も受けていただきありがとうございます。院内の様々な部署のスタッフとともに、フットワーク軽く、柔軟に、かつ密着した医療を目指したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
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