私たちは、高度化・専門分化が進む医療現場において、患者さんやご家族がより安心して治療を受け、療養生活を送ることができるように、各分野で学んだ知識・技術を提供しながら、スタッフとともに実践を行っています。現在、専門看護師は「がん看護、慢性疾患看護」の2分野2名、認定看護師は「緩和ケア、がん化学療法看護、感染管理、皮膚・排泄ケア、集中ケア、手術看護、摂食・嚥下障害看護、認知症看護」の8分野11名が在籍しています。今後も、それぞれの専門性を発揮し、多職種と協働しながら、質の高いケアを提供できるように活動していきます。
がんは早期診断と治療方の進歩により、がんの生存率は向上しています。病気とどのように向き合い、病気になってからの時間をどのように過ごすかはその人の生き方や価値観によってさまざまです。患者さんにとって最善の治療が選択でき、その人らしく過ごすことができるよう多職種と連携しながら支援しています。また、リンパ浮腫外来も行っており、リンパ浮腫の予防から発症後のケアをしています。がん患者さんのQOL(生活の質)の維持・向上を目指して看護ケアを提供していきたいと思います。
がん患者さんの身体的・精神的なつらさの緩和や療養生活の援助を行い、がん相談支援センターの相談員としても、ご家族の心配事や気がかりに対する支援をしています。またサポーティブケアチームのメンバーとして多職種で各病棟ラウンドを行い、苦痛症状が緩和できるよう病棟スタッフと治療やケア内容についてディスカッションを行っています。これからも、患者さんとご家族がその人らしくより良い時間をすごすことができるように多職種協働でケアをしていきたいと思います。
患者さんの想いを表出しやすい雰囲気作りを心がけ、治療に対する疑問や不安に対応し、一緒に考え意思決定ができるように支援しています。そして、患者さんが納得して治療を受けることができるよう関わっています。また、外来を中心に活動しており、治療を受けながら今までと同じような生活が送れるように、患者さんに合わせた支援も行っています。
感染管理認定看護師の役割は医療関連施設を利用する患者さんや家族、面会者そして現場で働くすべての人々を感染源から守る事が主な役割になります。そのために、感染制御チーム(ICT)の一員として院内の環境ラウンドや感染対策で困った時の相談対応、感染対策が適切に行えているかの確認などを行っています。直接患者さんに接する事は少ないですが、安心安全な医療と看護、快適な入院生活が提供出来るように活動を行っています。
集中治療室(ICU)に所属し、感染リスクの高い患者さんや、あるいは感染徴候のある患者さんに対し、多職種と協働しながら感染対策を実践しています。また、医療関連感染サーベイランスを通して、感染率を把握しケアにつなげています。感染制御チーム(ICT)の一員として院内の環境ラウンドを行い、適切な感染対策が実践できているか確認を行っています。患者さんの安全を守り、医療現場での感染症のリスクを低減できるように活動を行っています。
スキンケアと排泄ケアを専門にしています。褥瘡(床ずれ)など、キズを作らないための予防ケア・キズができてしまった後のケアを、多職種と協働して実践しています。また、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)造設に伴い、排泄経路が変更された方や排泄にお困りの方が、少しでも快適な排泄ができるよう支援しています。「生活者」である患者さん・ご家族が望まれる生活に近づけられるような看護を提供することを大事にしています。院内のみならず、地域で生活される皆さま方のお力になれるよう、尽力いたします。
重傷かつ集中治療が必要である患者様・ご家族に最善の看護を提供し、身体的精神的障害を最小限に回復して頂けるよう関わっています。また適切な情報収集とアセスメントで重症化予防や早期回復を目指しています。ドクターカーやドクターヘリによる病院前救護も含め、入院時の超急性期から退院後の生活までを見据えて、救命センターだけではなく、一般病棟の患者さんの看護ケアにも積極的に関わり、看護の質の向上に努めています。
他職種と良好なコミュニケーションを保ちながら、即応力のあるチーム医療のサポートを行うことも集中ケア認定看護師の役割だと感じています。
手術を受ける患者さんの二次的合併症を予防し、術後の回復過程を促進するよう他職種と連携しながら手術看護を実践しています。また、患者さんを中心とした継続看護の充実に向けて、院内や地域での講義を積極的に行っています。日々、高度化する医療のなかで、患者さんが安心・安全に手術を受けることができ、早期に術後回復できるよう、スタッフと共に手術看護を確実に、思いやりの心で実践していきたいと思っています。
患者さんの「食べたい」という欲求と、ご家族や医療スタッフの「食べてもらいたい」という願いが少しでも叶えられるよう日々の看護実践を中心に、口腔ケアや食事形態の調整、食事姿勢の工夫などのセルフケア支援をしています。患者さんの摂食・嚥下障害の程度はそれぞれ異なるため、患者さんごとにきめ細かい配慮を行いながらのケア提供を心がけています。
認知症を有する患者さんは、入院や病態・治療・処置による影響を受け、不安や混乱を増強し認知症の行動・心理症状(BPSD)が悪化することがあります。
患者さんが「受入れられている」「安心できる」と感じられるなじみのある療養環境に整え、認知症の行動・心理症状(BPSD)の悪化を予防していきます。そして、患者さんの立場に立って状況を理解しようとする姿勢で患者さんのニーズに向き合い、穏やかな入院生活が送れるよう多職種と連携・協働しながら看護ケアを提供していきます。
緩和ケア病棟やサポーティブケアチームに所属し、「緩和ケア」を必要とする患者さんとそのご家族に対して、体や心などの苦痛を少しでも緩和し、より良い日常生活が過ごせるように支援しています。苦痛症状の緩和や看取りのケアだけでなく、その人らしさを大切に「最期まで自分らしく生きる」を支えて行きたいと思っています。
また、研修の実施や多職種チームでの連携を強化し、病院全体の緩和ケアの知識、実践能力の向上を目指したいと考えています。
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正井 静香