兵庫県立加古川医療センターでは、2013年6月に導入した手術支援ロボット「ダヴィンチSi(エスアイ)」による手術を行っています。
なお、従来機を含めた「ダヴィンチ」の導入としては、県内5番目、県立病院では、がんセンターに続き2番目の導入です。
「ダヴィンチ」による手術は、鏡視下手術と同様、患者の体に小さな穴を開けて行う手術です。
体内を見る内視鏡カメラと3本の手術器具を取り付けたアーム(ペイシャントカート)をもち、医師は手術台から離れた場所に置かれた装置(コンソール)で立体(三次元)画像を見ながら手術を行います。
カメラは三次元画像かつ鮮明な拡大画像が得られるため、通常の手術では見ることのできない体の細かな観察も可能となり、また、3本のアームは微細な動きが可能で、より繊細で安全に手術を行うことができます。
前立腺は骨盤の最も奥に位置し手術操作が難しい臓器ですが、「ダヴィンチ」はこのような前立腺の手術でこそ威力を発揮し、現在、前立腺癌の手術に対し保険が適用されています。また、手術の傷口が小さく出血量が少ないことより、術後の疼痛も少なく入院期間も短くてすみます。また、繊細な手術が可能な特性から術後の尿失禁などの機能障害が少ないなど、より患者の身体への負担が少ない手術が行えるようになります。当センターでは、「ダヴィンチSi」の導入に際し、泌尿器科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士からなるチームをつくり、 手術には万全の体制をとっております。
2013年度より開始しております。明らかな転移のない症例を適応としております。年齢は、だいたい78歳までを対象にしています。術後の尿失禁や勃起障害をできるだけ減らすために、神経温存手術を積極的に行っております。
2016年度より開始しております。腫瘍の直径が7cm未満の、転移のない腎癌に対して行っています。合併症は少なく、治療成績、腎機能の温存に関しても非常に良好な成績です。
2018年度より開始しております。明らかな転移のない膀胱癌に対して行っています。従来の開腹手術に比べると、術中の出血量は極めて少なく、術後の回復も良好です。尿路変向は、現時点では、開腹で行っています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 合計 | |
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前立腺癌 | 71 | 51 | 61 | 66 | 69 | 318 |
腎癌 | 29 | 23 | 16 | 18 | 18 | 104 |
膀胱癌 | 12 | 11 | 17 | 14 | 7 | 61 |
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