診療科目・センター・部門
Departments & Centers
脳血管障害から神経変性疾患、免疫疾患、筋疾患、脳炎など多岐にわたる疾患に対し、専門治療を提供します。
脳神経内科

学会認定教育施設

  • 日本神経学会教育施設

特色

脳神経内科では、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の異常によって起こる病気の診断と治療を行います。主な症状としては、手足のしびれ感や力が入らない、頭痛、めまい、震え、ふらつき、歩きにくい、物忘れなどです。

2024年度にスタッフが更に増え、常勤医6名体制となりました。神経難病患者さんの集中的なリハビリテーション(リハビリ)入院を更に充実させると共に、断らない脳神経内科を目指します。

神経疾患が疑われる患者さんがおられましたら、是非当院にご紹介のほどよろしくお願い致します。

1.パーキンソン病や脊髄小脳変性症などの神経難病のリハビリ入院を行っています。

パーキンソン病の入院リハビリ  脊髄小脳変性症の入院リハビリ

性別男性 28例 女性 23例
年齢(年)73.0±8.0
Hoehn&Yahr分類3.2±0.6
罹病期間(年)6.0±4.2
入院期間(日)23.0±9.8
 入院時退院時p値

UPDRS-Ⅱ

(日常生活動作)

13.7±6.69.8±5.9<0.05

UPDRS-Ⅲ

(運動)

21.4±9.215.6±6.2<0.05

FOG-Q

(すくみ足)

13.1±12.66.2±4.6<0.05

PDQ39(質問票)

54.2±31.242.7±26.4<0.05
6分間歩行(m)267.2±107.9316.3±105.7<0.05
TUG(sec)17.0±10.916.5±13.3<0.05

歩行率

(steps/min)

110.7±13.0112.2±10.2

0.09

50m歩行速度

(m/min)

54.7±16.460.8±17.3<0.05
歩幅(cm)49.1±13.255.1±14.1<0.05

第42回日本神経治療学会 2024.11.9 千葉

神経難病で最も多いパーキンソン病では、病初期からのリハビリが病気の進行を遅らせるとの報告が近年相次いでいます。我々も2023年から歩ける患者さん51例を対象にリハビリ入院を開始し、すくみ足などの歩行障害が改善していることを報告しました。(左図)
2025年度からは病棟を一部障害者病棟に変更し、さらに質の高いリハビリ入院を提供していきます。神経難病の患者さんでリハビリ入院を希望される方は、かかりつけの先生に当科宛ての紹介状を書いてもらい、当科外来の予約を取って下さい。リハビリ入院は約4週間の予定ですが、お仕事などの都合で2週間程度でも効果があります。その他ご不明な点は外来受診時に脳神経内科医師にご相談ください。
2024年度4月より脳ドックを開始しました。
脳ドックに関する詳細はこちらから
パーキンソン病関連のオリジナルパンフレットを作成しました。
1つはパーキンソン病の概略について記載した「パーキンソン病パンフレット」です。
もう1つは、仕事や家事で忙しくなかなかリハビリ入院できない方が、自宅でもご自身でリハビリをやって頂く際に、参考にしていただくための「パーキンソン病のリハビリテーション」です。これらのパンフレットが、患者さんの日々の生活に少しでもお役に立てると幸いです。
パンフレットは病院トップページの「お知らせ」からも確認できます。また冊子そのものをご希望される方は、当院脳神経内科外来や地域医療連携室でもお尋ねください。
「パーキンソン病パンフレット」はこちらから
「パーキンソン病のリハビリテーション」はこちらから

主な診療疾患

脳梗塞,神経難病(パーキンソン病,多系統萎縮症,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症,脊髄小脳変性症,多発性硬化症,筋萎縮性側索硬化症,ミオパチー,筋無力症)やその他の神経変性疾患(アルツハイマー病,その他の認知症等),末梢神経疾患(ギランバレー症候群,慢性炎症性脱髄性多発根神経炎,遺伝性末梢神経障害等)

診療実績

2023年度 疾患別入院患者数
区分人数
一過性脳虚血発作・脳卒中15
パーキンソン病・パーキンソン症候群62
脊髄小脳変性症11
筋萎縮性側索硬化症4
てんかん5
髄膜脳炎3
多発性硬化症・視神経脊髄炎6
代謝性脳症2
脊髄炎・脊髄症3
重症筋無力症3
末梢神経障害7
球脊髄性筋萎縮症3
めまい3
その他9
合計136
2023年度 実施検査(判読・診断含む)件数
区分人数
神経伝導検査92
針筋電図35
誘発電位9
脳波137
頸動脈エコー27

論文発表・学会発表実績

地域医療機関のみなさまへ

  1. 神経難病に対する集中的な入院リハビリを行っています。
  2. 脳神経内科専門医による脳ドックを始めました。
    脳ドック
  3. 脳卒中を含む神経疾患の入院を積極的に引き受けます。
  4. 嚥下機能の評価を充実させます。
  1. 当院の医療施策の5本柱の一つに「神経難病医療の提供」があります。神経難病の中で最も有名なのはパーキンソン病ですが、パーキンソン病では、薬物療法だけでなくリハビリ治療が重要で、特に病初期からのリハビリ治療は病気に伴う廃用を予防するだけでなく、病気そのものの進行を遅らせるというデータも近年報告されています。
    我々はパーキンソン病患者さんに約1ヶ月間の集中的なリハビリ入院を年1-2回行うことで機能維持と病気の進行を抑制したいと考えています。リハビリ入院では、平日は連日、理学療法・作業療法・言語療法を行います。また音楽療法士が週に1回マンツーマンで、音リズム刺激を用いた音楽療法を提供します。
    さらに病棟看護師が療養生活でのアドバイス、自主トレーニングの指導を行い、また医療ソーシャルワーカーらも交えて、在宅療養に必要な福祉用具の選定や住宅改修についても検討します。
    このように、リハビリ入院中に、多職種が連携しながら主治医団として1人の患者さんに深く関わります。また、ご家族にも来院いただき、日常生活における問題点をお聴きし、その対処法について検討します。退院時にはかかりつけ医やケアマネージャーへ入院中の状態を報告し、必要に応じて在宅介護のスタッフを交えた退院前カンファレンスあるいは住宅訪問を行い、退院後の療養生活がスムーズにいくよう支援していきたいと思います。
  2. 2024年度から毎週金曜午後に脳神経内科専門医による脳ドックを行っています。脳ドックで更なる精査が必要な方は、紹介状が無くても電話で脳神経内科外来の予約が取れます。
  3. 2024年度もスタッフの増員と病床数の拡大があり、急性期から慢性期にわたる幅広い神経疾患に対応しますので、ぜひ当科に神経疾患患者さんを多数ご紹介下さりますようよろしくお願いいたします。
  4. 今後、嚥下障害の患者さんに対する嚥下内視鏡や嚥下造影検査を立ち上げ、患者さんの嚥下機能を正確に把握し、リハビリ治療に役立てます。