平成21年11月、風光明媚な田園地帯が広がる加古川市神野町の小高い丘の上に兵庫県立加古川医療センターが開院し、令和元年11月に開院10周年を迎えました。施設概要としては、地上6階・地下1階、延床面積 約32,000㎡、一般病床290床、救命救急センター30床(ICU8床、HCU6床、救命病棟16床)、緩和ケア病棟25床、感染症病棟8床、合計353床が用意され、ヘリコプター移送のためのヘリポートや約500台分の外来駐車場に加え、災害時に拠点病院としての機能が発揮できる設備も整えられています。
当病院の特徴として、まず第1に、小児科、産婦人科を除く28診療科を擁し、成人の疾病を対象とした高度専門病院を目指すことが挙げられます。
2番目に、超急性期の3次救命救急や1類・2類感染症から、急性期・慢性期のがん医療や糖尿病をはじめとする生活習慣病医療、神経難病医療、そして緩和医療に至るまで、成人が罹患する疾病のすべての病期に対応し、在宅医療から終末期医療、そして疾病予防教育まで、時間軸で見た縦方向の総合的医療を提供することです。
第3の特徴は、次世代の医療を担う医療人の育成にあります。新医師臨床研修制度、新専門医制度により卒後臨床研修の実態はそれ以前と大きく変わりました。社会が求める真の実力を備えた医師になるためには、初期研修に続く後期研修をどの病院でどの指導医の下で行うかが研修医にとって重要になってきています。研修医の皆さんが夫々、5年後、10年後にどの様な医師になりたいのかを時間をかけてじっくり考えて下さい。皆さんが目標を達成できるように、ハード面およびソフト面の両方を整備し、病院挙げて応援したいと思います。当病院には、研修医の方々のロールモデルになれるような、医学、医療に関する豊富な知識や卓越した技術を持つだけでなく人間としても尊敬できる多くの医師が日夜働いています。今まだ将来の自分の医師像が具体的に描けず不安に思っている研修医の方も歓迎します。当院の医師たちと一緒に働いてみて下さい。自分の進むべき道が見えてくると思います。
専攻医になる先生方が研修病院を選ぶ上で重要な点として、認定教育施設資格を有するかどうか、という点があると思います。認定教育施設で経験した症例でないと研修症例とカウントされません。新専門医制度では、まずは基本領域として内科専門医を取得する必要があり、次のステップとして「内分泌代謝・糖尿病内科領域」のサブスペシャルティ専門医を目指すことになります。領域の名前のとおり、内分泌診療、糖尿病診療をバランスよく研修できる病院を選ぶことが、今後新制度でのサブスペシャルティ専門医を目指す先生にとっては極めて重要になります。
当科はページのトップに示しますように科として必要な施設資格を有していますので、専門医取得を目指す先生には十分期待に応えられると考えています。これまでの専門医試験においても、当科で研修した医師の多くが糖尿病専門医、内分泌専門医試験いずれにも合格している実績があります。なぜ研修先として当院を選んだのか、現在あるいは過去に在籍していた専攻医の先生方へインタビュー形式で質問していますので、ぜひ目を通してみて下さい。当科の特徴が見えてくると思いますし、病院選びの参考になると思います。当科は学会活動にも力を入れています。ページ最下段に実績を示していますのでご覧ください。
糖尿病・内分泌内科の専門領域に進む前に、まずは内科医としてのトレーニングを積む必要があります。
新専門研修制度も開始されて5年以上が経過しました。サブスペシャリティとして当科を志望する専攻医に対しても、まずは内科全般の研修を受けることが求められ、そのうえで希望によってサブスペシャリティ研修との連動研修も卒後4年目から可能です。新制度では内科全体の質も病院選びの際に重要になってきます。
内科専門医を取得することが、内分泌代謝・糖尿病内科専門医を取得するための前提となります。
糖尿病・内分泌内科では、2023年4月から新しく2名のスタッフと4名の専攻医を迎えました。当院での研修が充実したものになるようさらにレベルの高い診療および教育を目指していきます。当院当科の特徴を挙げると、生活習慣病センターを有している点、糖尿病分野と内分泌分野いずれにおいても専門医療を提供している点、女性医師が多い点、だと思います。
専攻医や将来当科へ進むことを考えている初期研修医も多く、特に女性医師が活躍している診療科です。子育てと両立している女性スタッフ医師が現在3名在籍し、当科の中心的存在として活躍してくれています。メリハリをつけて男性医師と対等に活躍できる診療科であることを先輩女性医師たちが証明してくれています。
糖尿病分野に関しては、医師・看護師・栄養士・理学療法士・検査技師が協力して糖尿病教育、栄養指導、運動療法のチーム医療を実践しています。全職種が週1回集まり、それぞれの視点から教育入院患者について情報を共有し療養面での意見交換をしています。患者参加型のプログラムとなっており、年間110名前後の患者さんが教育プログラムに参加されるほか、糖尿病性ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群などの緊急疾患、持続皮下インスリン注入療法(CSII/SAP)導入、膵性、内分泌性糖尿病など多彩な症例を経験できます。さらに院内の糖尿病症例の血糖管理を一手に引き受けており、周術期の血糖管理、救急疾患の血糖管理、ステロイド糖尿病の管理など広く学べる環境です。
当院は新型コロナウィルス感染症の県の拠点病院だということもあり、最近2年間は入院数を制限せざるを得ない状況でしたが、例年の半分ぐらいの参加者で教育入院プログラムの活動を継続してきました。また中等症のコロナ感染症例の血糖管理にも当科は大きな役割を果たしています。
当院の特徴の1つである生活習慣病センターでは、当科はその中心的役割を果たしています。専攻医の先生方にも、糖尿病教育入院終了後さらに生活習慣改善の継続が望ましい患者さんを、引き続き生活習慣病外来で担当してもらっています。
内分泌分野においては、日本内分泌学会教育施設、日本甲状腺学会専門医施設に認定されております。内分泌疾患が数多く集まる病院であるため症例数も豊富で、指導医が内分泌学的な考え方からデータ解釈、負荷試験や甲状腺穿刺細胞診などの検査の実際、内分泌緊急症の治療の実際まで、きめ細かく指導できる体制が整っています。救命救急センター併設病院であるため、内分泌緊急症も数多く経験できます。市中病院でありながら、糖尿病専門医のみならず内分泌専門医、新制度の内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医取得を十分目指せる体制が整っているのも当科の大きな特徴です。
当科は若手医師の教育には特に力を注いでおり、専門医の育成を目指しています。週1回の糖尿病・内分泌カンファレンスでは、全員で症例を深く掘り下げ関連したミニレクチャーを交えるため、自分の担当以外の症例でも知識を深めることができます。また外来初診症例についても、鑑別診断、検査計画やフォローの仕方などを議論し初診外来診療へのフィードバックをします。学会発表に関しては、初期研修医の時期から地方会には積極的に演題を出し、専攻医は全国レベルの学会で発表してもらっています。機会があれば国際学会での発表や論文報告することを心がけております。ページ最下段の実績をご覧いただければ、当科が活躍しているフィールドがお分かりいただけると思います。
充実した研修を希望される研修医、専攻医の先生方、当科の一員として活躍してみませんか?
興味を持っていただけた方はまずは見学にいらしてください。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|
36 | 49 | 46 |
学会名 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
演題数 | 研修医発表 | 演題数 | 研修医発表 | 演題数 | 研修医発表 | |
日本糖尿病学会年次学術集会 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | |
日本糖尿病学会近畿地方会 | 5 | 5 | 3 | 3 | 5 | 4 |
日本内分泌学会学術総会 | 6 | 3 | 3 | 2 | 6 | 2 |
臨床内分泌代謝Update | 4 | 4 | 6 | 4 | 6 | 5 |
日本内分泌学会近畿支部学術集会 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
日本甲状腺学会 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
日本内科学会近畿地方会 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 |
間脳下垂体腫瘍学会 | 4 | 4 | ||||
計 | 23 | 19 | 20 | 17 | 29 | 22 |
糖尿病チームミーティング | 毎週火曜 16時から30分間 |
---|---|
糖尿病内分泌カンファレンス | 毎週木曜 16時30分から1時間 |
1~2年目:加古川中央市民病院、3年目:甲南医療センター、4年目:加古川医療センター です。
入院、外来症例を通して一年間しっかり糖尿病・内分泌領域の勉強をさせていただきました。学会への参加や発表の機会も多く、貴重な経験となりました。
不慣れなCOVID-19診療で戸惑うこともありましたが、上級医の先生方やコメディカルの方々がサポートしてくださり、乗り切ることができました。
1~4年目:兵庫県立加古川医療センター
1~3年目前半:神戸大学医学部附属病院
3年目後半~5年目:兵庫県立加古川医療センター
研修医の折より大学病院で指導を受け、専門分野の学習は進んでいた一方で、より全人的な医療の提供という意味では、不足している分野が多い状況だったと思います。加古川医療センターでは、学会発表などそれまでよりもより力を入れ、専門性も高めつつ、一般的な Common disease などを経験する機会にも多く恵まれました。また他科の先生方には時には科の垣根なくご指導いただき、今まで未熟な分野の初期対応など、多く学ばせていただけたと感じています。
1-3年目:本院、4年目:神戸大学医学部付属病院、5年目:本院 です。
糖尿病・内分泌の患者さんに対して臨床的に重要なことが何かを考え実行できる場として、良い経験をさせてもらってます。
専攻医から糖尿病・内分泌内科を考えている方はもちろん、そうでない方も是非一度、お問合せください。
© Hyogo Prefectural Kakogawa Medical Center. All rights reserved.