診療科目・センター・部門
Departments & Centers
兵庫県全域から関節リウマチをはじめ多様なリウマチ性疾患の患者さんを受け入れ、県の中核施設として機能しています。
リウマチ科(リウマチ膠原病センター)
学会認定教育施設
  • 日本リウマチ学会教育施設

特色

当院リウマチ膠原病センターリウマチ科の源流は、昭和40年代に開設された国立加古川病院のリウマチ科までさかのぼり、半世紀の歴史のある科です。当時は関節リウマチ・膠原病の専門病院は極めて少なく、多くの患者とともに、意欲ある多くの若手医師が関西エリアから集まっていました。その後2000年12月に財団法人甲南病院へ移譲されたことに伴い、甲南加古川病院リウマチ膠原病センターとして発展、2016年4月1日には、当院に機能移行されてリウマチ膠原病センターとして現在に至っています。当センターは加古川地区はもとより兵庫県下や近隣県から数多くのリウマチ性疾患の通院・入院患者を受け入れ、リウマチ性疾患の中核病院としての役割を担ってきました。


当センターでは、現在内科医11名、整形外科医2名の計13名で5診体制で診療を行っています。リウマチ学会専門医が8名(うち指導医7名)を占めており、より高度で最先端の医療を提供できるように日々努めております。また当センターではリウマチ性疾患を専門とする内科医と整形外科医が同じ診療場所(当院南棟のリウマチ膠原病センター)で常に連携をとりながら診療を行っており、全国的にみてもこのような体制は非常に稀です。リウマチ内科医とリウマチ整形外科医が共に相談しながら一緒に診察させていただくことで、他では提供できない質の高いリウマチ診療ができる環境にあり、患者さんの多様な問題に対処してまいります。また医師のみならず専門知識を持った看護師(日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師)が対応できることに加え、薬剤指導やフットケアなどきめ細やかに対処してまいります。リウマチ教室も定期的に開催いたしており、リウマチに関する各専門職からの情報を提供しています。

リウマチ膠原病センター受付の写真

リウマチ膠原病センターの診療室

対象疾患

当センターで診療している患者さんは関節リウマチが約6割を占めていますが、その他、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、強皮症、リウマチ性多発筋痛症、混合性結合組織病、多発性筋炎/皮膚筋炎/免役介在性壊死性ミオパチー、RS3PE症候群、巨細胞性動脈炎、ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)、結節性多発動脈炎、乾癬性関節炎、成人スチル病、ベーチェット病、サルコイドーシス、強直性脊椎炎、高安動脈炎、特発性血小板減少性紫斑病、掌蹠膿疱症性関節炎/SAPHO症候群、IgG4関連疾患、偽痛風など多岐にわたっております。


関節リウマチの薬物治療は飛躍的に進歩しており、非常に効果の高い生物学的製剤(注射薬)やJAK阻害薬(経口薬)などのシグナル阻害剤も次々使用可能になっており、現在は「寛解」を目指して早期から抗リウマチ薬によって治療することが推奨されています。関節リウマチ以外の自己免疫疾患全般の治療についても様々なガイドラインが作成され、免疫抑制剤や生物学的製剤による治療が日々更新されており、当センターでは最新の薬物治療に関するご相談にも対応いたします。かかりつけ医の先生方との病診連携もさせていただきます。


また関節リウマチ患者さんの装具作成や外科的治療手術等につきましても、当センターの整形外科医が対応します。脊椎を含めたありとあらゆる関節の、様々な外科的治療について、どのような問題にも相談に応じます。

診療実績

当センターで診療をしている患者さんは総勢3,406名(2024年4月から2025年3月までの外来患者数)であり、1日の平均外来患者数は約71名、入院患者数約21名を数えます。また関節リウマチや乾癬性関節炎、成人スティル病、強直性脊椎炎において生物学的製剤やJAK阻害薬による治療も幅広く行っており、生物学的製剤の点滴製剤使用患者さんは約120名、皮下注射製剤使用患者さんは約600名、JAK阻害薬使用患者さんは約120名であり、多くの方が新しい薬剤の治療によって症状が改善しています。またリウマチ科手術に関しましては、昨年の件数は200件と多くの実績があります。全身性エリテマトーデスや強皮症、血管炎に対する生物学的製剤による治療も行っており、そのほかの膠原病においても最新のガイドラインに基づいて免疫抑制剤による治療を行っております。

関節エコー

非侵襲的・簡便に関節を観察できるものです。関節リウマチや類縁疾患の鑑別、診断、疾患活動性評価、治療効果判定に有用です。当科では外来診察室で医師が、検査室では検査技師が関節エコーを実施しています。

疾患別患者数(令和5年4月~令和6年3月)

 

区分人数
関節リウマチ2,138
シェーグレン症候群274
全身性エリテマトーデス188
リウマチ性多発筋痛症136
強皮症164
混合性結合組織病62
多発性筋炎/皮膚筋炎83
RS3PE15
ANCA関連血管炎15
乾癬性関節症45
スチル病21
ベーチェット病18
サルコイドーシス13
強直性脊椎炎9
高安動脈炎0
特発性血小板減少性紫斑病5
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症15
巨細胞性動脈炎20
掌蹠膿疱症性関節炎16
IgG4関連疾患11

 

生物学的製剤及びJAK阻害剤投与患者数(令和4年4月~令和5年3月)
点滴製剤
区分人数
アクテムラ(TCZ)63人
レミケード(IFX)23人
オレンシア(ABT)28人
インフレキシマブ2人
皮下注製剤
区分人 数
エンブレル(ETN)54人
ヒュミラ(ADA)48人
アクテムラ(TCZ)183人
シンボニー(GLM)134人
オレンシア(ABT)89人
シムジア(CZP)34人
エタネルセプトBS3人
ケブゼラ30人
ナノゾラ20人
アダリムマブ4人
JAK阻害剤
区分 人数
ゼルヤンツ 12人
オルミエント 35人
スマイラフ 3人
リンヴォック 39人
ジセレカ 25人
手術件数
R1年R2年R3年R4年R5年R6年
220124132157213200
リウマチケアについて
リウマチケア看護師

当院には専門的なケアを行うことのできる日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師が複数名在籍し、患者様に不安を残さないよう、きめこまやかな対応を心がけております。自宅での生活の注意や内服管理のほか自己注射の指導も行っており、患者様自身が病気や治療法を理解し、自己管理できるよう支援します。

ケアナースによる支援の様子
フットケア

当科ではリウマチ疾患の患者さんの足を守ることを目的として、専門看護師によるフットケアを行っております。(治療内容や病状によっては対応できないこともありますのでご相談ください。)

専門看護師によるフットケア
フットケア

リウマチ教室

当院のリウマチ教室は、リウマチに関する各専門職からの情報を提供しています。最新の治療や話題についてもふれますので、病気に対する理解を深めていただく機会として、皆さまのご参加をお待ちしています。教室の合間にリウマチ体操を実施しています。

時間 15:00〜16:00
場所 1階生活習慣病センター 学習ひろば(1階エレベーター前です)
参加費 無料(申込不要 当日直接会場にお越しください)
日程・内容を変更する場合があります
開催内容

学術活動

  • 第68回 日本リウマチ学会総会・学術集会(2024年4月18日~20日)
    症例報告 2演題 臨床研究 2演題

  • 第69回 日本リウマチ学会総会・学術集会(2025年4月18日~20日)
    症例報告 1演題 臨床研究 3演題

学術集会のご案内

地域医療機関のみなさまへ

当センターでは内科医と整形外科医の密な連携のもと、より高度な専門的治療を患者さんにお届けできるよう、さらに研鑽に努めてまいります。これかも兵庫県下はもとより、西日本のリウマチ膠原病診療の拠点となるべく診療を続けていく所存であり、兵庫県下全域、さらには近隣府県からの患者さんを広く受け入れさせていただきます。どうか今後とも当センターをよろしくお願いいたします。