消化器内科は現在常勤スタッフ7名と専攻医2名で診療を行っています。研修医も参加した消化器病棟全症例カンファレンス、内視鏡カンファレンス、外科内科術前カンファレンスはそれぞれ週1回、内視鏡切除例・肝生検症例、剖検症例の臨床病理カンファレンスをそれぞれ月1回行い、診療レベルの向上、均一化、若手医師の教育指導を行っています。スタッフは全員消化器病学会専門医を取得しており、より高度な診療、研修医指導を提供できるように心がけています。また消化器内科関連の主な学会の指導施設認定を取得しており将来の各専門医受験に際し当院での研修期間がカウントされることになります。
研修カリキュラムは、当院内科は新内科専門医制度の基幹病院として専門カリキュラムを提供しています。また消化器内科サブスペシャリティ研修(消化器病、消化器内視鏡、肝臓学会)も並行して行えるプログラムになっています。
内視鏡は最新機器の整備を進めており、癌の早期発見、悪性度・範囲診断に欠かせないNBI(狭帯域光観察)搭載内視鏡システムを3台常設し、拡大内視鏡にて精密な観察・診断を行っています。ベテランの指導医・専門医が内視鏡研修教育計画書に沿って若手医師の教育・指導を行っており、専攻医の間にERCP、ESDを始め基本的な診断・治療手技はすべて取得できるように目標を設定しています。
消化器緊急疾患に対しては毎日当番を決め常時消化管緊急止血術、内視鏡的緊急胆道ドレナージ術などを行える体制で臨んでおり、緊急時には若手医師が積極的に検査・処置に参加することによりその対処法を学んでいます。
手術不能の進行した消化器癌に対しては最新のガイドライン、標準治療に基づきかつ各患者さんのQOLも考慮した上で全身化学療法や放射線化学療法を行っています。研修医・専攻医は指導医とともに治療方針を決定し主治医として実際の診療に携わります。また当院は緩和ケア病棟が併設されており緩和ケア内科と連携して緩和ケアの実際も学ぶことができます。
肝疾患に関しては兵庫県肝疾患専門医療機関に指定され数多くの患者さんの紹介があります。C型・B型慢性肝炎の抗ウイルス療法をはじめ、劇症肝炎を含む重症肝炎や、診断の難しい原因不明肝障害の紹介も多く、肝生検検査も他院に比べ数多く実施しており、毎月の病理カンファレンスで研修医・専攻医はその主治医として症例提示を行い、担当症例の診断・治療方針決定に参画します。画像診断では腹部超音波検査(造影超音波を含む)、MDCT、EOB-MRIを駆使し質の高い診断を心掛けています。研修医は上級医の指導のもと1年目から腹部超音波検査を行い、専攻医は肝生検、経皮的肝ラジオ波焼灼療法などを実際に術者として施行できるようになることを目標として指導しています。肝癌の経カテーテル的肝動脈塞栓療法、全身・動注化学療法、放射線療法は放射線科と連携して、研修医・専攻医は入院中主治医として治療にあたります。
以上のように当科の特徴は消化器疾患全般について偏りなくそれぞれの指導医のもとで指導が受けられることです。また週1回内科医全員が集まり研修医・専攻医の担当症例の症例検討を行うカンファレンスを行っており、症例を要領よくまとめて提示する練習の場となるとともに他領域の内科医とのディスカッションを通じ各内科が垣根なく連携を深めていることも特徴です。また研修医、専攻医が少ないため集中して症例を経験でき、手技の上達も早いことも特徴です。
消化器内科は検査・手技など取得すべきことが多く、また緊急対応も含め忙しい研修医・専攻医生活となります。しかし将来の消化器内科医としての能力は研修医・専攻医時代にいかに苦労して多くを経験し学んだかに大きく左右されます。消化器内科に少しでも興味がありましたらまずは是非一度見学に来て実際の現場を見てください。
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