現在、麻酔科常勤医2名(日本専門医機構麻酔科専門医 うち1名は兼務)と非常勤医師10名で麻酔業務にあたっています。定期手術の全身麻酔と、局所麻酔・脊椎麻酔等で行われるリスクの高い症例の麻酔、および緊急手術を担当しています。また当院は日本麻酔科学会の麻酔科認定病院であるため、初期研修医や麻酔科専門医を目指す後期研修医などの麻酔科研修も行っています。
当院は救命救急センターを擁し、県の災害拠点病院、ドクターヘリ基地病院であるため、多種多様な2次、3次救急症例を受け入れています(産科を除く)。ドクターヘリ搬入の最重症の外傷症例では、多発外傷のAcute Care Surgeryをはじめ、頭部外傷、脊髄損傷等に対する緊急手術があります。重症熱傷も受け入れています。急性期脱出後は外科、泌尿器科、整形外科、形成外科等による集約的な修復・再建治療手術の麻酔に従事しています。
当院は県の新型コロナ感染症の拠点病院として位置づけられ、その対応が義務付けられていました。このため、CODIV-19患者の緊急手術も多々受け入れてきましたが、県加古方式の感染対策により、手術室内ではクラスターや業務停止に至ることはありませんでした。現在は5類移行となり、感染対策は緩和しつつ、ほぼ通常診療に戻っています。
近年、高齢化に伴い循環系・脳血管系・代謝系・呼吸器系に合併症を持つ(具体的には高血圧・心筋梗塞・狭心症・脳梗塞・糖尿病・肺気腫など)方が多くなり、手術前後の周術期のリスクが高くなっています。このため入院サポートセンターをはじめ、合併症に関連する診療科と連携して患者さんの正確な状態を把握し、術前に適切な準備、治療が行われるよう、支援を行っています。また、術前にビデオや冊子を供覧いただくなどして麻酔に対する疑問や不安の解消に努めています。
安全な麻酔管理を行うのは勿論のこと、術後は重症例ではGHCU(General High Care Unit)をはじめ、HCU、ICUでも術後管理を行っております。また術後疼痛管理チームも稼働しはじめ、術前・術中・術後と、よりシームレスな周術期支援を目指しています。
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