2018年4月に当院に脊椎外科センターが開設されて以来6年になります。新型コロナウィルス感染症も昨年5月に5類指定となり、2020年~2022年のような大規模な診療制限が必要となる可能性は低くなりました。今後はコロナ以前のように、数多くのご紹介をお願い申し上げます。
手術は最新の機器、手技を導入し、できるだけ低侵襲を目指しています。椎間板ヘルニアなどの手術は、原則として内視鏡や顕微鏡を使用しての低侵襲手術を行っています。低侵襲だけでなく、脊椎手術では非常にデリケートな脊髄神経を扱うことも多いため、安全のため術中脊髄機能モニタリングを併用して手術を行なっています。
一方で、脊椎の著しい変形やすべり症、多椎間の脊柱管狭窄症などで広範囲の脊椎固定術を要する症例も増えています。こういった手術は侵襲が大きくなりますが、少しでも侵襲を小さくするために経皮的スクリュー固定や、前側方アプローチによる椎体間固定術:Lateral Lumbar Interbody Fusion (LLIF)も取り入れています。脊椎の前側方の脈管の位置を充分に精査した上で、可能と判断した場合に限って神経モニタリングも併用しながらLLIFを行っております。
整形外科内でも、脊椎外科は専門施設、専門医に診療が委ねられる傾向が強くなっています。当院には日本脊椎脊髄病学会認定指導医が2名常勤しており、今後も地域の皆様のご期待に応えるべく、安全確実かつ先進的な診療を目指してまいります。今後とも「脊椎外科センター」をよろしくお願い申し上げます。
昨年度より解像度の高い術中CT撮影可能な透視装置Oアームを導入し、最新のナビゲーションシステムとの連動により、より低侵襲かつ低被爆、正確性の高い脊椎スクリュー挿入が可能になりました。ナビゲーションには即時性と正確性の両方の利点があり、より早くより安全な手術が可能です。脊椎損傷など緊急手術だけでなく、脊椎固定術ほぼ全例にナビゲーション使用範囲を広げております。
骨粗鬆症による椎体骨折も増加しており、充分な保存的治療でも無効の場合にはBKPの適応となります。BKPは、骨折椎体をバルンで膨らませて整復してセメントを注入し、即時的に痛みを軽快させる効果があります。当院はBKPのトレーニング施設として認定されています。
椎間板内に注入することにより、椎間板内の水分が吸収されて内圧が下がり、椎間板ヘルニアを縮小させるという作用機序です。ヘルニアのタイプによっては手術と同等の成績が報告されています。当院はコンドリアーゼ注入療法の認定施設であり、数多くの使用実績があります。
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