当科におきましては、現在常勤医師1名、非常勤医師1名、および視能訓練士、看護師、眼科診療コメディカルと連携し診療を行っております。
白内障、涙道疾患、網膜硝子体疾患の診療と手術を中心に、翼状片や霰粒腫などの眼科小手術も行っております。白内障手術では、角膜乱視の強い患者様には円柱度数入り眼内レンズを使って、水晶体の混濁除去と同時に乱視の矯正も行い、より鮮明な視覚が得られるよう工夫しています。最近では、モノビジョン・マイルドモノビジョンと言って術後の左右眼の見え方に多少の差をつけることによって遠近の見える範囲を広げる工夫もしています。この場合可能なら術前にコンタクトレンズを装用しておおよその見え方を体験していただき、患者様の希望をうかがいながら眼内に挿入するレンズの度数を決定しています。また、外傷の既往のある方や合併症のある方など、難症例の白内障手術にも対応できる体制を整えております。
硝子体手術では、25G硝子体手術(小切開の硝子体手術)の設備を導入し、術後のより早い視力の改善、退院をめざした治療を行っています。
糖尿病網膜症などの網膜硝子体疾患においては、詳細な眼底検査のうえ、必要に応じてレーザー治療や硝子体手術を行い、長期にわたって視覚を保持していただけるように努めております。また、当院では未治療の糖尿病患者様も多く、看護師により個別に網膜症の模型を示しながらレクチャーを行い、患者様の知識を深めるお手伝いをしています。
近年、加齢黄斑症、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症では血管内皮増殖因子(VEGF)に対する抗体の硝子体内注射が治療の主軸となっており、硝子体注射の必要がある患者様も増えてきましたが、なるべく効率よく治療が行えるよう努力してまいります。
涙道疾患におきましては、慢性涙嚢炎などに対する涙嚢鼻腔吻合術では、ほとんどの症例を鼻内法で行っており、涙管チューブ挿入術においては涙道内視鏡の使用も開始し、今後徐々に症例を増やしていきたいと思っております。
その他の診療として、眼瞼下垂などのまぶたの手術や、重度の視覚障害の方を対象に、特殊レンズを紹介したり生活支援を行うロービジョン診療、眼瞼痙攣などに対するボトックス注射も引き続き行っております。
眼科診察システムPSC
光干渉式眼軸長測定装置(トーメー OA-1000)
超音波画像診断装置(トーメー UBM付)
眼底カメラ(コーワ 散瞳・無散瞳 IA/FA 画像ファイリングシステム付)
オートレフ(トーメーRT-7000 トポグラフィモード)
スペキュラーマイクロスコープ(トーメー EM-3000)
角膜厚測定装置
眼底三次元解析装置(ハイデルベルクグスペクトラーリス)
手術顕微鏡(OPMI Lumera700)
白内障手術装置(インフィニティ)
硝子体手術装置(アキュラス1310M)
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