循環器内科が対象とする心血管疾患は、虚血性心疾患、心不全、心筋炎、心膜炎、心筋症、弁膜症、深部静脈血栓症、肺塞栓、肺高血圧症、不整脈、先天性心疾患、心臓腫瘍、末梢動脈疾患など、急性・慢性疾患ともに広範囲で多岐にわたっています。当院の循環器内科では慢性心疾患、急性心疾患を含めた幅広い診療を行っています。
新病院への移転以来、急性期心疾患の救急診療が増えています。その理由としては、東播磨・北播磨地域の中核的3次救命センターである救急部の存在があげられます。救急部には現在も24時間365日、「生命にかかわる重篤な状態の患者さん」が多数搬送されますが、H25年11月からはドクターヘリが常駐する基地病院となり、心臓救急が増えることが予想されます。ドクターヘリで搬送される「急性心筋梗塞」や「重症急性心不全」などの1分1秒を争うような患者さんは、これまで同様に循環器内科と救急部が互いに補い合いながら対応していきます。現在、循環器内科は常勤医が3人、非常勤医が1人と、まだ十分なマンパワーがあるとは言えませんが、心肺停止を来たした重症の心筋梗塞患者さんであっても、救急医のfirst touchから循環器オンコールチームの召集、緊急冠動脈インターベンションと続き、早期の再灌流・心筋サルベージ(救済)が可能となります。そして、その後のICUでの集中治療、救急部と合同の症例検討会、一般病棟への転棟を経て、最後は自宅への独歩退院を目指します。このように、救急部と連携することで高度の心臓救急医療が可能となるシステムができています。さらに、2次救急に関しても進展が見られています。当院はH25年4月から加古川2次救急の輪番病院群に加わり、月に1-2回ですが、多数の中等症の2次救急患者さんを受け入れるようになりました。そしてこれを機会に、輪番日以外の日の当直体制もさらに充実させていこうとする見直し作業も始まっています。
救急医療が重要であるのと同様、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった、いわゆる生活習慣病の管理は、心血管疾患の予防という面から非常に重要です。我々は「生活習慣病センター」の動脈硬化・禁煙指導部門を担当し、院内講演の定期開催や、脈波図・頚動脈エコー・心エコー・心臓CTなどを用いた動脈硬化のスクリーニング検査、禁煙外来を行うなど、生活習慣病に対して様々な形で積極的に関わっています。
多くの科を有する総合病院である加古川医療センターには、どの科においても心血管系に問題を持つ患者さんが多数おられますので、侵襲的な治療による循環器疾患の悪化を避けるため各科をサポートしています。
我々は初期研修医教育の中心を担う内科の一員として、身のある研修が可能となるように努力しています。また、初期研修医だけでなく、循環器内科専攻医も常時募集しています。循環器専攻医に対しては、心エコー、心筋シンチ、トレッドミル検査はもちろんのこと、ペースメーカーやカテーテル検査及び治療などの侵襲的手技も積極的に実践していただけるよう配慮したいと思っています。地域医療に貢献できる若手医師・循環器内科専攻医の育成を目指し、これからも頑張っていきたいと思います。
心電図、ホルター心電図(通常及び2W装着可能なイベントレコーダー機能付きホルター心電図)、24時間血圧計検査、血圧脈波図検査、心エコー検査、下肢動脈及び静脈エコー検査、腎血流エコー検査、頚動脈エコー検査、トレッドミル検査、心筋シンチグラム検査、スワンガンツ・カテーテル検査等の右心カテーテル検査、冠動脈造影等の左心カテーテル検査、心臓電気生理学的検査、大血管造影CT検査、冠動脈造影CT検査 心臓MRI検査
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