病院について
About the Medical Center
プライバシーポリシー

心臓・大血管の手術を受けられる方(心臓血管外科)の「日本心臓血管外科手術データベース」への登録について

研究の概要、目的

現在、日本の心臓血管外科手術の結果に関する状況は全国規模ではまだ十分には把握されておりません。どの手術がどれくらいの危険性でなされているのか、手術前の状態で手術の危険性にどの程度違いがあるのか、といった内容に関して全国規模の研究はなされておりません。

この研究では、心臓・大血管の手術を受ける患者さんの手術前の医学的身体状況と行われた手術、およびその結果を調査し、これをデータベースとして情報収集し全国的に集計することにより、日本の心臓血管外科学の進歩、国民全体の福祉健康の増進に寄与することを目的としています。

具体的には、手術前の健康状態、手術の内容、手術後の経過に関する情報を集めデータベースとしてコンピュータに入力を致します。これを全国から集めた後統計処理を行い、現状の把握と将来の医学の発展のために使わせていただきます。また、集めた情報が正しいかどうか確認するため、定期的に日本心臓血管外科手術データベース機構から任命された委員にカルテ内容をチェックしてもらいます。

この調査のために手術が長引いたり、余計な検査がなされたり、あるいは入院期間がのびたりといったご本人の診療に支障を来すというようなことはございません。この研究が進むことにより、予定された手術の危険度が予測可能となり、患者さんにより最適な手術がなされるというメリットが生まれます。

プライバシーヘの配慮

この研究では、患者さんの個人情報を取り扱うため、秘密保守には厳重な配慮をおいています。収集した情報は全て記号化し、コンピュータ処理を行う際にも安全性と信頼性を有する高レベルの暗号形式を使用しています。また日本心臓血管外科手術データベース機構から任命された委員によるカルテチェックの際の確認項目は最小限にいたします。もちろん、個人を特定できる形での情報公開は一切行いませんし、個人情報保護法の観点から、集められた情報は本研究以外に使用されることはありません。

非同意の自由

この研究のデータ収集に同意しないことも自由です。このデータ収集に同意しないことによつて診療上の不利益を受けるということはございません。また、最初に同意したものの途中で非同意とすることも可能です。担当医にご連絡下さい。この場合にも医療上の不利益を受けることは全くございません。ご安心下さい。

診療費用に関して

この研究を行うことによって皆様に新たな診療費用が加わることはございません。

本研究の資金源と研究成果公表方法に関して

この研究は、心臓血管外科の研究資金により運営されています。研究成果は学会、医学論文を通じての公表だけでなく、ホームページ(URL:http://ww.jacvsd.umin.jp/)を通じて一般国民の方にもひろく公表されています。その他ご意見ご質問がございましたら、心臓血管外科担当医までご連絡下さい。

加古川医療センター 心臓血管外科

日本心臓血管外科手術データベース

❶ 研究課題

日本心臓血管外科手術データベース

❷ 研究の概要

2・1 目的

目的:現在日本の心臓血管外科手術の結果に関する状況は全国規模では把握されておらず、どのような手術がどれくらいの危険性でなされているのか、また、手術前の状態が良好な方と重症な方とで手術の危険性にどの程度違いがあるのか、といった内容に関して全国規模の研究はなされていなかった。そこで、心臓血管外科手術を受ける患者の手術前の医学的身体状況と行われた手術およびその結果を調査し、これをデータベースとして情報収集し全国的に集計することにより、日本の心臓血管外科学の進歩、ひいては国民全体の福祉健康の増進に寄与することを目的としている。

学術的価値:心臓血管外科手術に関する本邦初の包括的かつ学術的データベースであり、各疾患群における術前の重症度に応じた手術成績を明らかにする。また欧米アジア諸国とも共通するデータベースであり、海外とも共通の土壌で比較可能となり、日本の心臓外科学の国際化に大きく貢献する。

一方でデータベースの事業も内部でのベンチマーキングに留まらず,学術的成果の一般への公表が検討され,公的な役割が大きなものとなってきた。このような背景のもと,データベースの参加に対する倫理駆問題について,倫理委員会における検討を通して解決を図ることは重要であると考えられ,参加の可否について審査を要請するものである。

2・2 方法

米国胸部外科学会データベースとほぼ同等の記入項目約150項目をインターネットを介して収集し、中央施設にて統計解析を行う。術前重症度に応じた手術危険率を計算し全国の施設にインターネットを通じて出力する。術前危険因子を欧米と統一しているので国内施設間はもとより欧米施設との直接的な成績比較が可能となり、国内施設の成績向上につながることが期待されている。

2・3 対象

当施設で心臓手術を施行され、同意を得られた患者。性別は問わない。除外基準なし。参加対象者は年間約10名。研究期間は5年とし,継続の場合は再申請を行う。

2・4 被験者の実体験(具体的に箇条書)

術前または術後に本研究の説明を受け、同意書に必要事項記入。本同意書は情報提供のためのものであり、手術内容や術前術後状態の情報を得ることに対して承諾を得ることを目的とする。この調査のために、検査の追加や、手術、入院期間の延長などはなく、診療に支障を来すことはない。

❸ 研究が行われる機関または実施場所

〒675-8555 加古川市神野町神野203
加古川医療センター 心臓血管外科

❹ 研究における倫理的配慮について

4・1 研究の対象とする個人の人権擁護への対策

データ収集は、心臓血管外科科長ならびにデータマネージャーの管理の下、心臓血管外科スタッフが行なう。収集したデータはインターネットを介して中央施設にのみ保存され、各施設にはデータは残らない。さらに、中央施設にはJCVSDより配布されたIDとパスワードによってのみアクセスが可能で、インターネット及びコンピュータ処理を行う際には高品質のの暗号形式である128bits暗号専用モード使用している。以上より、倫理上の問題点である個人情報の漏洩防止については問題ないと考えられる。

送信する患者の個人情報には,患者イニシャル及び生年月日が含まれるが,それだけで個人を特定できる情報ではない。送信された情報は送信元のPCにデータとして残らない。一方でデータの信頼性の確保のため,JCVSDでは事務局が定期的に各施設を訪問しデータ入力の監査を行なっている。この監査にあたっては,データベースIDと施設IDを照合し,患者のカルテと入力の整合性を検討するため,上記の情報は「連結可能な匿名情報」であるといえる。ただし情報の連結にあたっては,患者のカルテ情報へのアクセスが必要であり,JCVSD事務局単体では不可能である。従って患者の個人情報が漏洩するリスクはカルテ情報漏洩のリスクと同義であり,本施設がJCVSDに参加するうえでの固有の問題ではないと考えられる。

入力されたデータと患者カルテを照合することを可能にするような情報については,鍵のかかる場所に厳重に保管される。

また、入力データが正しいものであるか検証するために、事務局主催でのSite Visitを受け入れるが、既に入力されたデータをSite Visitのメンバーによりカルテ内容と照合する必要がある。Site Visitのメンバーは事務局から派遣され、外部とは遮断された部屋でカルテと入力されたデータとの照合を行う。従って、個人情報保護の観点に基づきカルテ照合に関しても事前に患者家族に説明し同意を得る必要がある。

4・2 被験者に理解と求め同意を得る方法

ウェブサイトおよび院内の掲示板を用いて告示することにより、患者さんご自身から直接同意をいただかずに(包括同意として同意書不要)実施する。登録の拒否、一旦登録した医療情報の破棄などの権利についても告示する。告示内容:資料(1)

4・4 研究によって被験者に生じうる危険と不快に対する配慮

JCVSDに登録するデータには,それだけで患者個人を特定可能な情報は含まれないため,個人への不利益はないと思われる。しかし当該施設ではカルテ情報を含めて,連結可能な患者の個人情報を取り扱うため、個人情報保護の立場から、術前にデータ登録する患者または家族にはJCVSDの研究概要、プライバシーへの配慮、データ登録非同意の自由を文書で伝えインフォームドコンセントを得るものとする。また,この調査のために、検査の追加や、手術、入院期間の延長などはなく、診療に支障を来すことはない。

❺ 備考

一般的な学術研究であり、特定企業から委託された研究ではない。経費については自己資金によって負担する。患者に対する謝金や謝礼の支払いは行わない。
患者さんへ 専門医制度と連携したデータベース事業について