新薬が病院で患者さんに使われるようになるには、10年以上の歳月の開発期間がかかります。
その開発の最終開発段階には多数の患者さんのご協力を得て、有効性と安全性のデータを収集・解析し、その結果を厚生労働省に提出し、製造承認の申請をいたします。
その有効性と安全性のデータを収集する為に、医療機関は厚生労働省の承認を得て、その薬が「安全に使えるか」、「効き目があるか」、また「現在、医療機関で使用されている薬よりも優れているか」など、その有効性と安全性を詳しく調べる試験を行ないます。これを『治験』と言います。
『治験』にご協力頂ける患者さんの「プライバシー」「医療上の不利益」「倫理性」「安全性」及びデータの「科学性」の視点から治験実施の可否について審査する組織を治験審査委員会と言います。
審査の公正性を確保する為に審査委員には病院の医師などの病院関係者の他に、病院と利害関係のない人が必ず入らなければなりません。また、倫理性の確保のために医学・薬学の専門家以外の、一般の視点から審査する委員も必ず含まれてなければなりません。当病院の治験審査委員会の委員名簿でご確認ください 。
現在、日本の心臓血管外科手術の結果に関する状況は全国規模ではまだ十分には把握されておりません。どの手術がどれくらいの危険性でなされているのか、手術前の状態で手術の危険性にどの程度違いがあるのか、といった内容に関して全国規模の研究はなされておりません。
この研究では、心臓・大血管の手術を受ける患者さんの手術前の医学的身体状況と行われた手術、およびその結果を調査し、これをデータベースとして情報収集し全国的に集計することにより、日本の心臓血管外科学の進歩、国民全体の福祉健康の増進に寄与することを目的としています。
具体的には、手術前の健康状態、手術の内容、手術後の経過に関する情報を集めデータベースとしてコンピュータに入力を致します。これを全国から集めた後統計処理を行い、現状の把握と将来の医学の発展のために使わせていただきます。また、集めた情報が正しいかどうか確認するため、定期的に日本心臓血管外科手術データベース機構から任命された委員にカルテ内容をチェックしてもらいます。
この調査のために手術が長引いたり、余計な検査がなされたり、あるいは入院期間がのびたりといったご本人の診療に支障を来すというようなことはございません。この研究が進むことにより、予定された手術の危険度が予測可能となり、患者さんにより最適な手術がなされるというメリットが生まれます。
現在実施中の案件はありません。
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