当院はこれまで肝疾患診療には特に力を注いでおり、平成20年からは肝疾患専門医療機関として肝炎・肝癌診療においては東播磨圏域の中核的な役割を担っています。また急性肝炎・急性肝不全(劇症肝炎)については、保存的治療のみならず、神戸大学医学部附属病院と連携して肝移植の適否の決定や移植待機病院としての役割も担っており、兵庫県北部及び西域からも数多くの症例のご相談や患者さんの受入れをしています。また近年は、生活習慣が深く関与する非アルコール性脂肪肝疾患が増加しており、生活習慣病センターと連携して幅広い患者さんを対象に診断と治療、生活習慣の介入を行なっています。
そのため、患者さんには院内の肝臓病教室や地域のセミナーを通して、病気に対する知識や理解を深めていただき、より良い治療や予防に努めて参りました。教室は新型コロナウィルス感染症の影響でしばらく休止していましたが、昨年4月より再開しています。
昨年3月には肝炎対策基本指針の一部が改正され、肝炎ウィルス検査の受検および持続感染者の受診勧奨・受療を促進し、B型肝炎・C型肝炎の撲滅のため一層努力することとなっています。そのためには肝炎医療コーディネーターやICTを活用して肝炎対策のより一層の推進を図ること、関係機関とより一層の連携を図ることが重要となっています。
兵庫県は全国平均よりもまだまだ肝癌が多い県です。肝疾患センターでもこの指針に基づき、10名以上の肝炎コーディネーターを活用して、医療現場と患者さんに様々な形で情報提供・情報共有をして参ります。これまで以上に病診・病病連携を深め、地域の先生方さらには患者さん達と一緒に病気に取り組むセンターを目指していますので、気軽にご紹介やご相談をください。窓口は消化器内科担当医までお願いいたします。
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